1986年9月1日、藤尾正行 「仮に侵略があったとして、侵略を受けた側にもいろいろと考えるべき問題があるとわたし
1986年9月1日、藤尾正行 「仮に侵略があったとして、侵略を受けた側にもいろいろと考えるべき問題があるとわたし
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発言内容 | 仮に侵略があったとして、侵略を受けた側にもいろいろと考えるべき問題があるとわたしは思うんですよ。たとえば日清戦争というものを考えてみると、当時の朝鮮半島は一体どんな情勢にあったのか。これは清国の属領ですよ。その清国の朝鮮に対するインフルエンスというものは、なぜか言われません。で、清国が日本に負け、替って日本が進出しようとしたところへ三国干渉でしょう。日本は屈従を強いられ、その後にノコノコと出てきたのがロシアですね。これを放っておいたら、朝鮮半島はロシアの属領になっていたかもしれない。日本にすれば土手ッ腹に出てこられるわけだから、どうあってもこれを阻止しなくちゃならない。その根を絶とうというんで、日露戦争が起こるわけですよ。いま韓国に対する侵略だと盛んに言われておる日韓の合邦にも、少なくともそれだけの歴史的背景があったわけでしょう。日韓の合邦というのは、当時の日本を代表していた伊藤博文と、韓国を代表していた高宗との談判、合意といったものに基づいて行われている。形式的にも事実の上でも、両国の合意の上に成立しているわけです。もちろん、高宗が真の代表者であったかどうかには疑問があるし、合意を認めさせるための日本側の圧力はあったかもしれない。しかし、少なくとも、伊藤博文の交渉相手が李朝の代表者、高宗であったことだけは事実なんですから、韓国側にもやはり幾らかの責任なり、考えるべき点はあると思うんです。さっきも言ったように、もしも合邦がなかったなら、清国が、ロシアが、あるいはのちのソビエトが、一体、朝鮮半島に手をつけなかったという保証があるのかどうか。そういうことまですべて考えた上で、日本が朝鮮半島に出ていったのは侵略以外の何ものでもない、日本が悪なんだ、という議論なら、まだしもこれは分るんですがね。 |
発言者 | 藤尾正行 |
所属 | 文部大臣 |
所属団体 | 自由民主党 |
発言日時 | 1986/09/01 |
発言場所 | 新聞記事・インタビュー |
情報源 | 「妄言」の原形 日本人の朝鮮観、pp.303-304:高崎宗司 |
掲載日時 | 2014/12/15 |
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事後経過 | |
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補足・解説 | |