2019年5月29日、杉田水脈 「さて、四月十七日の内閣委員会において、立憲民主党の大河原雅子議員より、昨年
2019年5月29日、杉田水脈 「さて、四月十七日の内閣委員会において、立憲民主党の大河原雅子議員より、昨年
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発言内容 | さて、四月十七日の内閣委員会において、立憲民主党の大河原雅子議員より、昨年三月九日の内閣委員会で私が行った質疑について言及がありました。
私の質疑の際に名前を挙げたNPO法人ヒューマンライツ・ナウから議事録の削除を求める抗議があったこと、また、その他の民間団体の名称を挙げたとして、私が国会議員の免責特権を悪用し、到底許されるものではない質疑を行ったというものでした。
質疑を行った昨年三月九日、立憲民主党は、審議に応じず、内閣委員会を欠席していました。また、議事録も先日まで未公開にされていたため、あたかもその場にいらっしゃったかのような御意見には事実誤認もあるようですので、質問に入る前に申し上げます。
日本国憲法では、国会議員が議院で行った演説、討論、表決について、院外で責任を問われないことが定められております。大河原議員は、何の根拠にも基づかずレッテル張りを行ったと言いますが、根拠があって質問をしておりますので、本日は、改めてその根拠を示してまいりたいと思います。
また、日本政府の見解と異なる、日本の国際的評価をおとしめるような見解を流布する民間団体の言論について、これも、憲法で保障されている言論の自由ですので、日本政府の公式見解はこうですよという指摘はいたしますけれども、彼らの言論を封殺するつもりは全く私はございません。
大河原議員にとっては到底許されない行為だという御認識であったとしても、私は、国内外における事実ではないプロパガンダによって過去と未来の日本国と日本人の名誉と人権がおとしめられることは国益を損ねる以外の何物でもないと深く憂慮しており、事実に基づいた正しい歴史認識を普及していくことは、日本の国会議員として当然の責務であると認識しております。
ですので、政府に対して、現状を認識し、政府一丸となって、また官民が連携して、正しい認識の普及に取り組んでいただきたいと国会の場でお願いをしているわけでございます。むしろ、議事録の削除を求める行為こそ、国会議員の自由な議論に対する言論の封殺ではないでしょうか。
また、大河原議員は、私が国会において民間団体を名指しして質疑を行ったことが到底許されない行為だと言いましたが、立憲民主党を始め野党の先生方も、特定の学園などを名指しして何度も質問を行っておられました。これも到底許されない行為なのでしょうか。
国会において、認可、認定を受けるなど一定の公的要素を持つ団体の行為を議論することが、議事録の削除を求められ、質疑の一年後に、到底許されないと非難される対象になるのであれば……(発言する者あり)これからそれを全部説明しますから、ちゃんと聞いてください。
与野党を問わず国会で自由な議論はできなくなるのではないでしょうか。
それでは、まず、外務省にお尋ねをいたします。元慰安婦の方々は性奴隷だったのでしょうか。
〔中略〕
例えば、慰安婦問題に関する本格的な事実調査を行い、軍や官憲による強制連行は確認できるものではなかった、強制連行という見方が広く流布された原因は、吉田清治氏の本を朝日新聞が事実であるかのように大きく報じたことが原因であり、朝日新聞自身も、事実関係の誤りを認め、正式に読者に謝罪をしているということ、二十万人という数字は、具体的な裏づけがなく、女子挺身隊と混同して誤って広まってしまったということ、そして、性奴隷という表現は事実に反するということもはっきり述べられました。
昨年、外務委員会で、杉山審議官のこの発言は日本政府の正式な見解かと質問したところ、日本政府の正式見解だという御答弁でした。
昨年の質疑でも触れましたが、二〇一八年二月にソウルで開催された、韓中日、日本軍慰安婦国際カンファレンスで、慰安婦に対する日本軍による虐殺現場の映像であると公開された映像は、今回も前回と同じ資料をお配りしておるんですけれども、その資料をお配りしておりますとおり、実は、アメリカの国立文書記録管理局には、亡くなった日本軍兵士から靴下を脱がせる中国人兵士の映像として記録されているもので、この映像が日本軍の慰安婦虐殺の映像だというのは、虚偽、捏造です。
このカンファレンスに日本から参加していた団体の一つが、女たちの戦争と平和資料館、wamという団体です。wamは、日本軍性奴隷制を裁いた女性国際戦犯法廷を発案し、実現に奔走した故松井やよりさんの遺志を受け継ぎ開館した資料館です。
今申し上げた説明は、お配りしております二枚目の資料の方にありますように、wamのホームページにはっきりと明記してあります。みずからが連続性をうたっているわけですから、大河原議員の、wamは設立は二〇〇五年なので事実誤認であるとの御指摘は適切ではありません。
さらに、資料の三枚目をごらんください。
女性国際戦犯法廷とは、日本の慰安婦問題に関する責任追及のため、法廷を模し、昭和天皇及び日本国を、強姦及び性奴隷制度について人道に対する罪で有罪という判決を出したイベントです。また、wamの入り口の横に展示してある、責任者を処罰せよと題された絵、このような絵なんですが、これは疑似法廷の動機の一つとなったと解説が書かれておりまして、昭和天皇と見られる男性が目隠しをされて、木に縛りつけて幾つも銃口が向けられているのです。
私は、日本の国会議員として、いえ、一人の日本国民として、このような絵が日本国内で公開されていることに言葉では言いあらわせない怒りや悲しみを覚えます。
一部では、二〇一六年、ユネスコ世界の記憶遺産に登録申請された日本軍の慰安婦の声にはこのような絵も含まれるのではないかと報じられています。
今お配りしておりますwamのプレスリリース、これは四枚目の資料なんですけれども、これによりますと、ユネスコ記憶遺産共同登録日本委員会の構成団体の一つがwamであり、ホームページには、記憶遺産登録の国際シンポジウムの告知や、登録を実現するための寄附の呼びかけなども記載されています。
また、ユネスコのホームページで一時的に公開されていた登録申請書のサマリーによると、日本の推薦者はこの共同登録日本委員会であり、サマリー内に見られる資料の一部はwamの出典であることも明記されていました。
つまり、wamは、この資料の裏面の方を皆さんごらんいただきたいんですが、裏面に書かれているように、慰安婦を日本軍性奴隷制とし、それをユネスコの記憶遺産に登録申請した団体なのです。(発言する者あり)とんでもない。
このwamの代表である渡辺美奈氏がニューヨークで二〇一五年三月九日にパネリストとして参加した国連女性の地位委員会パラレルイベントのタイトルは、慰安婦問題の真実と正義、第二次世界大戦時の日本軍性奴隷であり、主催したのがヒューマンライツ・ナウというNPO法人です。
当法人の理事長であるシン・ヘボン氏は、先ほど紹介した女性国際戦犯法廷に検事として参加をしていました。
ヒューマンライツ・ナウは、平成二十八年三月にアダルトビデオ出演強要被害に関する調査報告書を公表しており、内閣府は、出演強要の状況等について、この報告書を参考にし、男女共同参画会議の調査会でもヒアリングを行っています。
私は、AVの出演強要は絶対にあってはならないと思っておりますし、一件でもあってはいけないというふうに思っております。大河原議員は、慰安婦問題とAV出演強要問題は何ら関係がございませんとおっしゃっておりましたが、私も全く同じ意見です。
大河原議員は、あたかも私が、関係のない慰安婦問題とAV出演強要問題を結びつけたかのように誤解されているようですが、現にそのようなイベントが開かれています。
二〇一七年十一月に渋谷で行われた催しのインターネット上に公開されている動画、「「「違約金を払え」「親にバラす」と言って、まさに性奴隷のように性を搾取する」 伊藤和子弁護士がAV出演強要問題について訴え」というタイトルがつけられています。
このリレートークには、ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子弁護士ほか、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表、wamの館長などが参加し、慰安婦問題とAV出演強要被害を結びつけてこのような催しを行っているのです。
また、昨年も紹介させていただいたように、主催者はヒューマンライツ・ナウやwamではありませんが、お配りしている五枚目の資料になります。平成二十八年八月に行われた「語り始めた被害者たち 日本軍「慰安婦」、AV出演強要、JKビジネス」というイベントのチラシによると、韓国の元慰安婦金学順さんが慰安婦だったことを告白した後、次々と慰安婦が名乗り出てきた状況と、AV出演強要やJKビジネスの被害者が次々と出てくる状況が酷似していると書かれています。
当日、委員会に御出席されていたならば、この資料も配付しておりましたので、勘違いされることはなかったのでしょうが、結びつけているのは私ではないということを改めてお伝えしたいと思います。
このことから、私は、AV出演強要被害者は現在の性奴隷制だ、日本軍は慰安婦を性奴隷にしていてもおかしくないんじゃないかというプロパガンダが行われることを懸念しております。
ここで、ヒューマンライツ・ナウが二〇一七年七月二十四日に、国連自由権規約委員会に英語で出した意見書を直訳して御紹介をいたします。
いわゆる慰安婦問題、日本は、第二次世界大戦中に日本軍によって性奴隷制を余儀なくされた慰安婦の問題に対処することができなかった。ここに慰安婦のことをはっきり、性奴隷制を余儀なくされた、英文では、ウイメン・フォースト・イントゥー・セクシュアル・スレーバリーと表現してあります。
外務省にお尋ねします。これは事実でしょうか。
〔中略〕
日本政府がそのように努力いただいているにもかかわらず、また、杉山審議官が、先ほど御紹介した日本政府の見解を述べた約一年半後に、国連に事実とは異なる意見書を提出する。私は、これを、なかった事実をあったかのように偽ること、つまり捏造であり、日本の国際的評価をおとしめる行為であると認識しています。
大河原議員の質疑やヒューマンライツ・ナウの抗議及び要請書によると、慰安婦問題に関しての見解は、アジア女性基金のホームページや国連人権機関からの各種勧告に基づいているとのことです。
第一に、アジア女性基金については、先ほど紹介した昨年の外務委員会において私から質問をいたしましたところ、アジア女性基金は、そこに書いてあること全てが日本政府の公式見解ではございません、政府は、従来から一貫して、政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったということ、答弁を申し上げておりますし、閣議決定した形で示すということもいたしておりますという御答弁をいただいております。閣議決定されているんですね。
次に、ヒューマンライツ・ナウや大河原議員が言う国連人権機関からの勧告というのは、条約に付随する各委員会が出す勧告を指します。
皆さん、最後の資料をごらんいただきたいのですが、慰安婦問題に関して勧告を出したと報じられた、例えば人種差別撤廃委員会や女子差別撤廃委員会は、国連から独立して調査を行い、勧告等の見解を出します。これらは、国連人権高等弁務官事務所が事務局を担っているためなのか、報道などでは国連の勧告と言われますし、私も先ほど国連に意見書を提出と申し上げましたが、正しくは、これは国連から独立した機関です。条約加盟国から複数の委員を選出し、委員が個人若しくは団体から申請を受け付け、勧告などの見解を出す機関で、勧告に法的拘束力はありません。また、委員は国連から任命されているわけでもありません。
例えば、人種差別撤廃委員会は、人種差別撤廃条約に基づいて設置されている独立機関で、現在は百七十九カ国が条約を締結しています。委員が独自に自国以外の百七十八カ国について詳しく調査をすることは困難なので、民間NGOやNPOから出される意見、例えば、先ほど紹介しましたヒューマンライツ・ナウが出した意見書のようなものを参考にします。虚偽にかかわらずです。委員は、これらをそのまま採択することも多く見受けられ、また政府は、みずからの意見を主張する場はなく、質問に答えられる機会しか与えられません。
つまり、大河原議員やヒューマンライツ・ナウが言う国連人権機関からの勧告とは、国連が公式な場で日本政府に是正を求めて出した勧告ではないということを明確にしておきたいと思います。
外務省にお尋ねいたします。国会議員が、私が昨年三月九日に行ったように、民間団体が行い又は公表している事実をもとに国会で質疑を行うことは、おどしや報復であり、国連とその代表者及びメカニズムとの人権分野における協力に関する決議に反しているとみなされ、非難や是正を勧告されるべき事案に該当するのでしょうか。
〔中略〕
もう一点申し上げたいんですけれども、大河原議員は、報告書には、私が、昨年の質疑において、NGOの国際的な発言のあり方をコントロールするように要請したと述べておられましたが、私は、NGOの国際的な発言のあり方をコントロールするような要請はしておりません。あくまで、日本政府の見解や事実とは異なる情報が国際的に宣伝されていることに対し、政府は、政府見解と事実を正しく広報すべきだという意見を申し上げているのであって、事実誤認によるレッテル張りをしているのはどちらでしょうか。
また、NGOの発言が、先ほど申し上げたような勧告に反映されやすい現状を考えれば、日本政府とNGOとの関係はこれからも開発されていくべきであるという先日の大河原議員の意見には私も大いに賛成の立場であります。
例えば、間違った慰安婦に関する教育の防止、誤解を招く慰安婦像を未然に防止するための運動、慰安婦についての正しい知識を普及するための運動、こういったことを官民連携でしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。また、そういったことをしっかりやっているNGOもございますので、ぜひ、外務省の方はそういうところと手を組んで国際発信を強めていっていただきたいというふうに思っております。
私のプロパガンダという発言についても、大河原議員に取り上げていただきました。
プロパガンダとは、特定の主義、思想に対する宣伝を指す用語であり、批判的な単語でも差別的な単語でもありません。日本政府の見解に反し、慰安婦は性奴隷であった、慰安婦は強制連行されたという思想を、日本の国内のみならず海外でも宣伝をするヒューマンライツ・ナウの行為をプロパガンダであると表現することは私の自由であり、慰安婦は性奴隷ではない、強制連行もないという日本政府の公式見解を宣伝する私の行為をプロパガンダだと表現していただいても大いに結構です。
私が挙げているヒューマンライツ・ナウやwamによる行為は、大河原議員が言うように、何の証拠にも基づかないどころか、調査せずとも公表されている事実です。レッテルも張っていませんし、誹謗中傷も行っていませんし、攻撃を行ったわけでもありません。また、彼らの言論を弾圧したことも、沈黙させようとしたこともありません。国会の場で事実を列挙されることや議事録が公開されることに何か不都合でもあるのでしょうか。
改めて申し上げますが、日本国憲法では、国会議員は、議院で行った演説、討論、表決について、院外では責任を問われないことが定められています。
レッテル張りを行ったという御指摘をいただきましたが、行ってもいないレッテル張りにより、言論封殺を行ったとのレッテルを張られ、そのレッテルにより、国連までも利用して、憲法上保障されている国会議員としての言論の封殺を試みられたのは私の方です。
私は、日ごろより尊敬している、当日その場にいなかった大河原議員が、事実誤認に基づいて委員会で質疑されたことを到底許されないと意見するような、憲法を軽視した不見識な行為を行うつもりは全くございません。
冒頭申し上げたとおり、日本の国際的評価をおとしめるような見解を流布する民間団体のプロパガンダについても、憲法で保障されている言論の自由ですので、日本政府の公式見解をお伝えするだけで、彼らの言論を封殺するつもりもございませんが、日本の国会議員として、先ほども申し上げました、過去と未来の日本国と日本人の名誉と人権がおとしめられていることを憂い、阻止を試みることは当然の責務であります。
よって、日本政府は、このようなプロパガンダが現に行われていることを認識し、外務省だけではなく政府が一丸となって、またNGOやNPOと連携して、正しい歴史認識の普及に取り組んでいただきたいと思いますので、大河原議員に到底許されない行為だと御指摘をいただいたとしても、私はこの責務を放棄することはできません。
最後に、私が行った、憲法で保障されている国会質疑が到底許されない行為だというのであれば、立憲民主党さんにおかれましては、現行憲法の不備を正すため、憲法改正に向けて前向きに取り組んでいただけるということかと思います。ぜひ一緒に憲法改正を実現させましょうということを申し上げまして、私の質疑を終わります。
どうもありがとうございました。
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発言者 | 杉田水脈 |
所属 | 衆議院議員 |
所属団体 | 自由民主党 |
発言日時 | 2019/5/29 |
発言場所 | 衆議院内閣委員会 |
情報源 | 国会会議録 第198回国会 内閣委員会 第20号 |
掲載日時 | 2019/5/29 |
掲載元URL | http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/198/0002/19805290002020a.html
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事後経過 | |
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補足・解説 | |