1946年8月17日、大村清一 「只今椎熊君より我が國の治安状態の現状に鑑みまして、熱誠なる、又痛烈なる緊急
1946年8月17日、大村清一 「只今椎熊君より我が國の治安状態の現状に鑑みまして、熱誠なる、又痛烈なる緊急
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発言内容 | 〔一度帰国した旧植民地出身者、特に朝鮮人が集団的に日本に密航しようとしており、国内の住民の生活を脅かしているが、それに対して政府はどのような対処をしているのかという質問に答えて〕
只今椎熊君より我が國の治安状態の現状に鑑みまして、熱誠なる、又痛烈なる緊急質問がございまして、其の御述べになりましたことに對しましては、政府殊に治安の責任者と致しまして深く同感の意を表するものであります
〔中略〕 各方面に亙りまして御質疑があつたのでありますが、先づ密入國の問題に付きまして御報告を致し、政府の決意を申述べたいと思ひます、最近西日本の鳥取、島根、山口、福岡、佐賀、長崎の各縣沿岸に亙りまして、終戰後歸鮮致しました者等の中で、密かに機帆船等に便乘致しまして、分散的に若しくは集團的に本邦内に潛入を企てる者が少くないのであります、本年四月には其の數五百餘人でありましたものが、五月、六月と漸増致しまして、七月に至りましては實に八千九百餘人に及ぶと云ふ有樣であります、關係地方官民の努力に依リ、凡そ其の八割は檢擧致して居りますが、其の二割は逃走を致して居ると云ふ状況であります、尚ほ他に密かに潛入を致し、統計の數字に上らぬ者もある見込でありまして、それ等の者は本邦各地に分散して、不堅實なる闇の生活を營み、治安攪亂の禍因となる虞が多大であります、加之是等密航朝鮮人の中には、「コレラ」を持つて入つて來ると云ふ危險が昨今頗る大きいのでありまして、現に發見致しましたものだけでも、六月以降に於きまして眞性「コレラ」が五十人、疑似其の他のものが十人、合計六十人と云ふ状況でありまして、保健衞生上より見ましても、國民に多大の脅威を與へて居る次第であります、斯樣に朝鮮人の密入國の問題は洵に困つた憂慮すべき大問題であり、而も一刻も放置することを許されぬ事柄でありますので、現地の警察當局は、警防團員竝に其の他一般民衆の協力も得まして、極力其の發見檢擧に努めて居る次第でありますが、必ずしもそれが完全に行つて居るとは申上げられない實情であります、故に其の根本對策と致しまして、政府は各省相協力致しまして、水上警察の擴充、海上哨戒の整備、密航者取締法令の確立等速急に必要なる諸方策をも講じまして、本問題を憂慮せられる各位竝に國民の期待に副ふやう誓つて努力を致し、遺憾なきを期する決心であります |
発言者 | 大村清一 |
所属 | 内務大臣 |
所属団体 | 貴族院勅選議員 |
発言日時 | 1946/8/17 |
発言場所 | 第90回帝国議会 衆議院 本会議 30号 昭和21年08月17日 |
情報源 | 帝国議会会議録検索システム 第90回帝国議会 衆議院 本会議 30号 昭和21年08月17日 |
掲載日時 | 1946/8/17 |
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事後経過 | |
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