【5月10日設立シンポジウム】「ヘイトスピーチ被害の実態把握に向けて――日本のレイシズムをどう「見える」ようにするのか――」


 ARIC設立シンポジウム

ヘイトスピーチ被害の実態把握に向けて

――日本のレイシズムをどう「見える」ようにするのか――

aric0510

(チラシはこちら→ARIC立ち上げシンポジウム

開催概要

 日時:2015510(日)1330分~16時(開場1320分)

 場所:下北沢タウンホール集会室1・2

(〒155-8666 東京都世田谷区北沢2丁目8−18 2階)

 参加費:1000円(一般)、500円(学生)

※ご参加は当日受付で結構です(予約不要)。ただし、ご参加される方は事前にご一報頂けると準備の都合上、大変助かります。

■開催趣旨

 2013年にヘイトスピーチが大きな社会問題として注目を浴びて、二年が経とうとしています。「朝鮮人を殺せ」など白昼公然と叫ぶ異常なヘイトスピーチには大きな批判が寄せられ、レイシズム(民族差別)への法規制を求める声もたかまっています。

 しかし日本政府は立法が必要なほど、「人種差別思想の流布や人種差別の煽動が行われている状況にあるとは考えていない」(20131月)という立場を未だ崩していません。

 この見解が事実に反することは2014年夏に2回も勧告された(自由権規約委員会・人種差別撤廃条約委員会)ことからも明らかです。しかしそれよりも問題なのは、日本政府が一度も公式にレイシズムの実態を調査をしないまま「差別はない」としている点です。例えば児童虐待やDVが増加しているのに実態調査をしないまま政府が児童虐待やDVは「ない」と言っていたら異様に思われるでしょうが、同じことがレイシズムではまかり通っています。

 レイシズム(民族差別)禁止法はぜひとも必要です。そのためにはまず差別の実態が調査され、それが広く公表されねばなりません。

 反レイシズム情報センターでは基本的な活動として在日コリアンへの差別実態調査を行います。今回のシンポジウムではその必要性や意義について研究者の方々をお招きして、差別実態を明らかにする意義を議論する場にしたいと思います。

プログラム

第一部

【講演1】在日コリアン青年に関する差別実態調査の歴史と現在――社会学の見地から(金明秀)

【講演2】欧米先進諸国におけるレイシズムの実態把握の現状――法制度との関連から(明戸隆浩)

第二部

 発題:日本のヘイトスピーチ問題の深刻さ――在日コリアン青年の被害から (梁英聖)

 パネルディスカッション

ゲストプロフィール

金明秀(きむ・みょんす)

関西学院大学社会学部教授。専門は計量社会学。テーマはナショナリズム、エスニシティ、階層など。1968年生まれ。著書に『在日韓国人青年の生活と意識』(東京大学出版会)、他がある。在日コリアンについてのウェブサイト「ハン・ワールド」を主催。

明戸隆浩(あけど・たかひろ)

関東学院大学ほか非常勤講師。専門は社会学・多文化社会論。1976年生まれ。著書に『ナショナリズムとトランスナショナリズム』(法政大学出版局、2009年、共著)、翻訳にエリック・ブライシュ著『ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか』(明石書店、2014年、共訳)など。

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