池本なお(獅子座なお)阪南市議会選挙立候補について


池本なお(獅子座なお)が阪南市議会議員選挙に立候補したことが話題となっています。ネット上の一部では問題となっていますが、この人物がいかなる経歴を持ち、どのような発言、主張を行なっているのでしょうか。

 

今回ARICで緊急調査を行なったところ、37件もの差別発言を確認しましたので、その内容を報告します。

 

 

◆池本なお(獅子座なお)とは?

 

池本なおは元在特会の大阪支部長であり、確信犯的な差別主義者です。動画サイトの個人アカウントに歴史否定の街宣の様子などを次々とアップしています。さらに「凛風やまと・獅子の会」という極右団体の「副長」でもあり、実質的な「顔」になっています。また大阪府堺市議会議員西川良平の秘書でもあり、今回の選挙運動ではその肩書きを積極的に利用しています。

 

 

◆池本なお(獅子座なお)の具体的発言と行動

今回の立候補を受けARICではこれまでの発言を調査したところ、21件の差別発言が確認できました。

 

⑴直接的なヘイトスピーチ(パフォーマンス)

2013年2月に朝鮮総連前で豆まきをするというパフォーマンスをしています。金正恩の顔写真に向けて参加者が豆をぶつけるというものです。

その中で以下のように発言しています。(詳細はこちら

“〔5:48~〕 朝鮮人はいますぐ日本から出て行け。〔中略〕朝鮮総連は日本から出て行け、いい加減にしろ。

〔9:55~〕 鬼は外、福は内。朝鮮人は外。朝鮮総連は外。”

 

このように非常に悪質かつ直接的なヘイトスピーチを行なっています。彼女が主導する形で、参加者は嬉々として豆をぶつけています。

 

 

⑵歴史否定発言

『従軍慰安婦』や強制連行の存在を否定する歴史否定発言を通じて、差別扇動を繰り返し行なっています。同2013年2月の鶴橋における街宣では以下のように発言しています。(詳細はこちら

 

“〔12:51~〕鶴橋周辺、たくさん朝鮮人がいると思いますけれども、向こうの方で聞いている駅前の方々、聞こえているでしょうか。先ほどの男性の方が、「竹島問題でいろいろあるから、ちょっと気が立ってるんじゃない?」って笑って言ってましたけども、ふざけるな。冗談じゃありません。私は普通に仕事して普通に暮らしてる一般人の日本人です。でもね、韓国人には怒り心頭なんです。許せないんですよ。どうしてあなたたちは税金を払わないんですか?どうしてあなたたちは在日特権にすがっているんですか?それに反論するのは当たり前だと思うんです。この日本国で普通に生活して暮らしている私たち、この真実を知ってしまって、こうやって立ち上がるの当たり前なんですよ。この鶴橋駅の前で立っている、聞いている方々、いい加減に目を覚ましてください。政治に関心がない自分の国にも帰らない人たち、早く帰ってくださいよ。もうね、日本にたかるのはやめてください。これだけ悪い影響を及ぼされて、私たちは黙ってられません。政治家は黙っていても、私たち一般市民、国民は黙っていません。私の母は、「韓国人は早く殺してしまえばいい」と言いました。こうやっていう人は増えてるんです。これはただ事じゃないと思いなさい。日本中で、そして世界で、あなたたちは批判されてるんです。悪いことしているという自覚を持ってください。この鶴橋駅、鶴橋に住む6割の人間が朝鮮人だと言われています。そして韓国の政治、政治に興味のない人、しかし韓国には強制連行や従軍慰安婦や竹島のことなどが言われています。従軍慰安婦に関しては証言数という韓国が折り紙をつけた証拠があるそうですけども、何の証拠でもないんです。矛盾だらけで、まだまともな証言をしていると思えた四人の証言も、実際にない慰安所、釜山や○○(聞き取れず)、ここに入れられたと証言して後二人は、親に40円で金銭で売られたと最初は言っていたのに、後からコロコロコロコロ話を変えて、あなたたちも仲間ですよ。そしてもう一人、最後の一人は朝鮮人に職場で誘われて、働かないかと誘われて、従軍慰安婦、売春婦にさせられたんです。このように嘘をつく民族なんですよ韓国人というのは。金のためになんでもする、売春婦、キーセンをする、それが韓国人なんですよ。どうしてここまで嘘をつくのか、わかりますか?嘘をつかなければ生活ができないからでしょうが。でもね、政治家が黙っていても私たちは黙っていませんよ。絶対に許しません。このように、日本に訴えることがあるのなら、韓国政府に言いなさい。ここにいる工作員の人たちは、その訴えをそのまま韓国政府に言いなさい。そして、まともな朝鮮人が今ここにいるとしたら、政府に訴え、そしてここに来て、証言しなさい。”

(特に悪質と思われる部分に下線を引きました)

 

歴史否定を通じて「韓国人=嘘つき」であると規定し、ヘイトスピーチを行なっていますが、特に危険なのが“私の母は、「韓国人は早く殺してしまえばいい」と言いました。こうやっていう人は増えてるんです。これはただ事じゃないと思いなさい。”という部分です。これは「殺せ」という直接的な言葉こそ避けていますが、明確に「殺害」を扇動しておりヘイトクライムの呼びかけを行なっています。

 

 

 

さらに2016年2月には南京大虐殺の否定も行なっています。(詳細はこちら

 

“〔0:36~〕南京大虐殺は全くの嘘である。という該当パネル展を始めたいと思います。宜しくお願いします。ここ、宗右衛門町では、支那の観光客がバスに乗り入れて止まるところです。しかし、支那人の皆さん、よく聞いてください。南京大虐殺、日本人が中国人に悪い事をしたなんていうのは仮構です。本当にあったのは、全くの逆の事がありました。支那の軍が日本人や南京市民に対して残虐非道な殺戮を繰り広げた。これが南京であった出来事です。資料も沢山あります。そしてここにあるのはその一部を切り取ったパネルです。本当にあったことは通州事件。日本人が残虐非道でとんでもない殺し方を支那の軍にされたこの事件。朝日新聞も号外で発表していました。これが真実なんです。さらに南京であったことは逆に日本軍が南京の市民に大歓迎されてお菓子をもらったり、食料を配給してもらったりして大喜びして、日の丸を掲げて日本軍万歳と言って喜んでいたのが事実なんです。そのような資料は沢山、山ほど出て来ます。写真なんか探してみたら有り余るほどあります。しかしですね、最近中国政府、支那の習近平国家主席、極悪非道な国家主席はですね、ユネスコに対して南京大虐殺を記憶遺産に登録するということを国を挙げてやってしまったんですね、しかしどうですか、そこに登録された書類、すべて嘘ばかりです。写真提出されたものは間違っていることばかり。ここに、少し小さいですが、その写真、半袖の男の人が誰かの首を切っていますね。で、後ろの観衆たちも軽装です。これ、南京の事件があったとされる日付は12月ですよ。この寒い12月に一体みなさんどうして半袖でいるんでしょうか。中国政府が出してくる資料というのは嘘ばっかりなんですね。それをみなさん分かっておいてください。たとえ学校でおかしな教育が教えられていても、大人になってまでその嘘を信じているなんてとっても恥ずかしいことだと思いませんか?みなさん、子供達に私たちは堂々と教えていきましょう。今の中国の主席、そして昔の毛沢東はどんなにひどいことを日本人に、そして自分たちの同胞である中国市民、南京市民に対しても行ったんだということです。これは中国人にとっても、嘘をつかれているということはマイナスですね。自分たちが虐殺されているのに、その歴史も知らずに、習近平様万歳と言っているわけですが、面白い話ですね。はい、お花畑だと思わずにはおられません。[中略]これは、私たちは中国人に対して嫌がらせを行っているわけでも、ヘイトスピーチを行っているわけでもありません。むしろこの真実を拡散して欲しくない人たち、妨害しにくるような人たち、その言葉こそがヘイトスピーチなんです。

(特に悪質と思われる部分に下線を引きました)

 

 

南京大虐殺は中国政府の作り出した嘘であると規定し、中国政府への批判を行なっていますが、これは日本の差別主義者の常套手段です。そしてこのような歴史否定を(彼女らのいう「真実」を)“子供達に私たちは堂々と教えていきましょう。”と呼びかけています。つまり自らが歴史否定発言を行うにとどまらず、それを拡散することを呼びかけているのです。

 

 

このほかにも「凛風やまと・獅子の会」のブログサイトでは悪質なヘイトスピーチを数多く投稿しています。詳しくはARICの政治家レイシズムデータベースをご覧ください。

 

今回収集できたものはネット上に上がっている情報のみであり、また全てをカバーできていない可能性もありますので、差別発言を確認された際はこちらまで通報をお願いいたします。

 

 

 

◆何が問題なのか

 

さて、こうした極右活動家が選挙に立候補することのどのような点が問題なのでしょうか?
まず極右団体の幹部であった人間が選挙活動を行うことそれ自体が差別扇動に当たります。これまで見てきたような主張を、選挙活動という公的な場を通じて行うことが可能になるのです。選挙活動の街宣ともなれば、極右団体の街宣よりも注目度は高く、より多くの聴衆に対して差別扇動を行うことが可能になってしまいます。

 

また、極右活動家が立候補するということは、極右活動に「お墨付き」が与えられることにもなります。つまり「極右活動を行えば、政治家にだってなれる可能性がある」というメッセージを社会に発信しているのです。それを見た一般人が、「生活のために極右になる」という現象が頻発する可能性があります。(差別主義者が政治家として立候補することの危険性については代表梁英聖のブログ記事をご参照ください。①http://yongsong.exblog.jp/26612395/ ②http://yongsong.exblog.jp/26613657/ ③http://yongsong.exblog.jp/26617502/

 

さらに、仮に当選した場合、これまで以上に強力なヘイトスピーチ、差別扇動を行うことが可能になります。これまでは極右「団体」として差別を行なっていましたが、極右「政治家」として様々な市の政策に関与することが可能になります。

 

実際に東京都でも極右議員の議会での発言を受けて、都知事が関東大震災における朝鮮人虐殺の存在を否定しました。またそれだけでなく、これまで虐殺の追悼式典を行なっていた公園を、同日同時刻にそれを否定する極右団体へ貸し出しました。(こちらの詳細についても梁英聖のブログ記事をご参照ください。①http://yongsong.exblog.jp/27076042/ ②http://yongsong.exblog.jp/27076130/

 

このように極右「政治家」として活動することで、「できること」が大幅に広がるのです。極右団体もさらに活性化することでしょう。そういった意味でも彼女を当選させることは極めて危険と言えるでしょう。

 

 

 

◆政治家レイシズムデータベースの活用を!

 

私たちARICが日々収集している情報は、まさに今回のような事態にこそ利用してほしいと思います。極右団体の差別主義者が、政治空間に進出しようとした際に、実際にはどのような人物なのかを浮き彫りにすることができます。今回の池本なおも、選挙ポスターなどでは在特会大阪支部の幹部であったことは極力隠し、議員秘書であることを強調しています。素性を隠したまま当選してしまうことを防ぐためにも、いかなる人物であるのかを広めることは重要になります。

そのためにもデータベースをぜひご活用ください!

 

*インターネット上での選挙活動における禁止事項についてはご注意ください。具体的禁止事項についてはこちらのリンク先をご覧ください。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html

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